会計上では、帳簿価格だけ損失が発生します。税法では、会社が無料で資産を誰かにあげた場合、本来もらうべきであった金額(時価)を収益にあげなくてはなりません。
Ex.時価150万円(帳簿価格60万円)の車を無料であげた場合
・無料で資産をもらった時の本来支払うべき金額
借方 | 貸方 |
---|---|
寄付金150万円 | 車 60万円、売却益 90万円 |
税法では、本来支払うべき金額(受贈益)を収益にあげなければなりません。上の例で考えると・・
・無料で役務の提供をした時の本来もらうべき金額
借方 | 貸方 |
---|---|
車150万円 | 受贈益150万円 |
本来もらうべき金額、時価で収益をあげなくてはなりません。税法で益金というのは、本当にその範囲が広いものです。
益金には別段の定めという、本来であれば収益に計上しなければならないが、益金とはしない、つまり税金がかからない特例があります。
※会計上の収益と税法の益金の違いが発生する典型的なものが、別段の定めと時価として考えるところです。
商品や製品などの会社の営業目的のために必要なもの、また土地や建物など、売る目的で買ったものを棚卸資産と言います。この棚卸資産は、商品を引き渡した時に計上します。
税法では、出荷した日もしくは相手方が検収した日のどちらかを基準に選んでも良い事になっています。しかし、いったん決めた基準は継続しなくてはなりません。
税法上、請負には建築請負等(物の引き渡しがある)と運送、技術指導等(物の引き渡しがない)の2種類があります。
計上時期は・・
・建築請負等(物の引き渡しがある)→工事完成基準による
・運送、技術指導など(物の引き渡しがない)→役務完了基準もしくは部分完了基準による
目的物を引き渡した日に収益を計上する事です。例えば、建設工事等の請負契約による場合、作業を完了した日、先方の受入れ場所に搬入した日、先方が検収を完了した日などが引渡日になります。
すべての任務を完了した日に収益を計上します。
部分的に収益金額が確定した日に収益を計上します。たとえば、報酬の額が滞在期間などで決定され、一定期間にその金額を確定し支払いを受取ることになっている場合などが、それにあたります。
固定資産の売却収益は、引き渡した時か契約を結んだ時の、どちらかを自由に選び計上することができます。
機械や車両などについて、契約の際に頭金として相当額を受取り、残金を長期にわたって月賦などで回収するという長期割賦販売の場合、延払基準で月賦額の代金の回収金額に見合う部分を、収益に分割計上することが出来ました。
しかしながら平成30年4月1日以降に行う長期割賦販売から、この延払基準は廃止されました。ただし、リース譲渡については、延払基準は廃止されていません。
延払基準は・・
製造及びソフトウェアの開発を含む工事の請負にかかる収益については、長期大規模工事とその他の工事に区分されます。
長期大規模工事とは、着手の日から目的物引渡しの日までの期間が1年以上であること。請負の対価が10億円以上であること。
請負の対価の額の2分の21以上が目的物の引渡しの日から1年を経過する日後に支払われるものでないこと。損失が見込まれる工事を含む、長期大規模工事は工事進行基準によって計上されます。
その他の工事は、長期大規模工事の内容以外の工事で、2事情年度以上にわたるものをさします。その他の工事は、工事進行基準もしくは工事完成基準かの選択で計上されます。
工事進行基準とは・・
工事の進行具合に応じて、以下の算式で収益と費用を、それぞれの事業年度に計上する方法です。
( 工事中の事業年度 )
・当期の収益の額 = 工事請負対価の額×工事進行割合 ― 前事業年度までに計上した収益の額の合計
・当期の費用の額 = 工事原価の額×工事進行割合 ― 前事業年度までに計上した工事原価の合計
( 引渡事業年度 )
・当期の収益の額 = 工事の請負の対価の額 ― 前事業年度までに計上した収益の額の合計
・当期の費用の額 = 工事の原価の額 ― 前事業年度までに計上した工事原価の合計
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