会社経営を長くされてきた方、個人事業主で事業を行っている方などには聞きなじみ深い言葉決算。
「新入社員で経理に配属された。」、「これから事業を展開していこうと思っている。」方々にとっては、もちろん新聞でも目にするし、ニュースでも耳にする、そして会社経営などをしている方の口からも聞いた事がある言葉、決算。
一年の総まとめの事なんだろうと予想はついているかもしれません。そんな決算を、少しだけ、「ほっほぉ、そう言う事なんだ。」と知っていただくためにお話をさせていただきます。
企業などで、一定の時期を画して収益と費用を算定し、その財産状況を明らかにすること。国及び地方公共団体の一会計年度における歳入・歳出を、当初の予算と対比して作成される確定的計数。
一般に、収支や損得等の具合、また、総まとめ・締めくくりの意にも使います。「人生の総決算」 出典 三省堂大辞林第三版。つまり、一年間の収支をとりまとめ、会社の財産が、今どのような状況なのか、そして会社の経営状態がどのような状況なのかを明らかにすることを決算といいます。
また、株主、金融機関などにもそれを公表し、国等に納税しなくてはなりません。
会社の一定時点での財政状況を、《資産》《負債》《純資産》であらわす表を貸借対照表と言います。B/Sバランスシートと呼ばれます。
資 産 | 負 債 |
純資産 |
※資産=負債+純資産
資産は会社が持っている財産であり、負債と純資産は財産の元になったお金の調達方法となります。つまり必ず、左右の合計金額は一致します。
資産は、会社が集めたお金をどのような状態で所有しているのかを表しています。そして一年以内に現金化が可能である流動資産から表示され、長期に渡って保有する固定資産、繰延資産の順番で表示されます。
負債は、返済、支払期日の早い順番に表示されています。買掛金・未払金などの流動負債から表示され、長期借入金・社債などの固定負債がそのあと表示されます。
純資産とは、株主が会社にいれてくれた資金や利益の積み上げを示します。つまり自己資本のことをいいます。純資産がマイナスであれば、債務超過の状況であるという事なので、倒産のリスクが高いという事になります。
会社が、・費用を何に使って・どれだけ売上が上がり・どれくらい儲かったのか?を読み取ることが出来る表を損益計算書と言います。つまり会社の収益力を読取ることが出来るのです。Profit and Loss Statementを略して P/Lとも呼ばれます。
損益計算書には5つの利益が表示されています。
粗利とも言います。|売上総利益=売上高―売上原価|売上原価とは、商品を仕入れたり、製造したりするときにかかる費用のことを言います。
営業利益=売上総利益―販売費および一般管理費|販売費とは、商品を宣伝するための広告費などを指します。一般管理費とは、家賃・給与・交際費などを言います。
経常利益=営業利益+営業外収益―営業外費用|営業外収益とは、本業の営業以外において得られる収益のことをさします。受取利息、有価証券利息などがそれに含まれます。営業外費用とは、本業営業活動以外で継続的に発生する費用をさします。借りたお金の利息、社債の発行に必要な費用などがそれに含まれます。
税引前当期利益=経常利益+特別利益―特別損失|
特別利益とは、本業とは関係なく、一時的に臨時に発生した利益のことを言います。不動産を売却した時に発生する固定資産売却益などがそれにあたります。特別損失とは、本業とは無関係に臨時的に発生した損失のことをさします。火災、盗難、災害による損失などがこれに当たります。
当期利益(純利益)=税引前当期利益―法人税等(法人税+法人住民税+法人事業税)|
税引前当期利益から、法人税・法人住民税・法人事業税を差引くと、純粋な今期の利益、当期利益が算出されます。
株主資本変動計算書とは、会社の最終的な利益である当期利益を何にどれくらい使ったのかを知ることが出来ます。また、この決算書により株主や経営者の考え方も知ることができます。
株主重視であれば、株主への配当金が多くなり、内部保留金への積立が多ければ、貯蓄型の堅実なかいしゃであると言えるでしょう。
キャッシュ フロー計算書とは、その名の通りお金の流れを計算するための財務諸表です。つまり、決算期首にあった現金が期末にいくら残っているかという現金(キャッシュ)の流れ(フロー)が把握できるのです。
上場企業などはキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられていますが、一般的には、貸借対照表と損益計算書が重要となります。
まず、様々な税法の改正が4月1日からの適用が多い事があげられます。年度の途中での変更への対処をさけるため3月決算が多いようです。
また総会屋対策、国や地方団体などの公的機関の予算編成にあわせるため、新入社員が入社する教育機関の年度区切りに合わせるためなどの理由により日本企業では3月決算が多いようです。
決算では、会社の一年間の流れを、貸借対照表でお金の調達方法と運用方法を知り、利益の生み出し方を損益計算書で表します。また株主資本等変動計算書で利益をどのように活用したか、キャッシュフロー計算書でお金の流れを理解します。
決算とは、その会社の一年間の過ごし方、また成績表となるのです。今回は、決算の基礎の基礎をお話しさせていただきました。なるほどっと思っていただけることが一つでもあれば幸いです。
【 税理士法人 エンブレース】〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-5-9 精文館ビル2階 |AM9:00~PM18:00(土日祝日 対応可!)