消費税の基礎知識|税理士法人エンブレース|東京都千代田区
消費税の計算方法、非課税になるもの、軽減税率制度等について解説させて頂きます。|税理士法人エンブレース(東京都千代田区)|会社・法人設立支援、節税対策、中小企業の資金繰り、事業計画書等のサポートをさせて頂いております。

消費税の基礎知識

消費税2019年から、いよいよ消費税率が10%に引き上げられます。

 

私たちにとっては最も身近な税金が消費税です。その消費税についての基礎知識をお話しさせていただきます。

 

1.そもそも消費税とは?

租税は、様々な観点から分類されますが、そのひとつに直接税と間接税と言う区分があります。直接税とは、納税義務者と税の負担者が同じであることを予定している税金です。

 

そして間接税は、納税義務者と税の負担者が一致せず、税の負担者が転嫁されることを予定している税金を言います。消費税は、税の負担者は消費者、納税義務者はその消費を提供する事業者として制定された間接税です。

 

消費税法は、昭和63年12月に成立し、同年12月30日に公布、施工され、平成元年4月1日より適用されました。原則として、個人事業であれ、法人であれ、2年前の売上が1,000万円を超えている、もしくは1年前の上半期の課税売上が1,000万円超、給与などの支払い総額が1,000万円超である事業者には消費税の納税義務が発生します。

2.消費税の計算方法

(1)原則課税

売上にともない“預かった消費税”から仕入などの経費から“支払った消費税”を引く計算方法を原則課税と言います。つまり、売上に伴う消費税(預り消費税)-仕入経費などに伴う消費税(支払消費税)=消費税の納税額となります。

 

わかりやすい例として、税率8%として、648円で仕入れた魚を、税込1,080円で売ったとします。80円は売上に伴う消費税、預り消費税です。そして、48円は支払い消費税です。よって納税義務者は、80-48=32。32円を税務署に支払わなければなりません。

(2)簡易課税

前々年度の課税売上が5,000万円以上であり、消費税簡易課税制度選択届出書を事前に提出した事業者のみが選択できる計算方法です。簡易課税においては、支払い消費税の算出は不要です。

 

預り消費税に、業種によって定められた一定率を掛けた額を支払った消費税とみなして納税額の計算をします。つまり売上高×消費税率―売上高×消費税率×みなし仕入れ率=消費税の納付額となります。

 

みなし仕入率は事業区分により以下のようになります。

  • 第一種業種(卸売業)90%
  • 第二種業種(小売業)80%
  • 第三種事業(製造業・農業・漁業・林業・建設業・鉱業・ガス業・電気業・水道業など)70%
  • 第四種業種(その他の事業・飲食店など)60%
  • 第五種業種(飲食店業に該当する事業を除くサービス業・金融業・保険業・運輸通信業など)50%
  • 第六種事業(不動産業)40%

では、原則課税と簡易課税、選択するのはどちらがお得なのでしょうか。

 

原則課税の場合、売上高より仕入高のほうが多かった時には、消費税の還付を受取る事ができます。しかしながら、経理処理が非常に煩雑であります。簡易課税では、事務処理は軽減されますが、還付を受けられることはなく、また2年間は原則課税に戻すことはできません。

 

どちらが得なのかは、ケースバイケースではありますが、一般的には簡易課税のほうが、節税につながることが多いようです。

3.消費税の非課税とは?

すべてのものに消費税がかかっているわかではありません。消費税がかからないもの非課税になるものをあげてみましょう。

  • 医療費
  • 介護費用
  • 住宅の貸付
  • 利子、保険料
  • 有価証券の譲渡
  • 土地の譲渡
  • 土地の貸付

これらのものは非課税扱いとなります。

4.どうして税率があがるの?

少子高齢化により、今後の日本では現役世代の人口が減っていきます。その一方で、高齢者の人口はますます増えていくことは明らかです。そしてそれに伴い、社会保険料などの現役世代への負担がさらに増大していくこととなります。

 

そこで社会保障財源の確保のために法人税や所得税を引き上げれば、それはますます現役世代のみへの負担の増長となってしまいます。負担が集中せず、高齢者を含めた国民が全体で負担できる消費税が社会保障の財源としてふさわしいと言う考えからの税率引き上げと言うわけです。

5.軽減税率制度とは?

その文字が表す通り税率を減らしてくれる仕組みの事を言います。主に飲食料品の消費税が対象となります。軽減税率の対象品目は・・

  1. 飲食料品
  2. テイクアウト
  3. 宅配の食料品
  4. 有料老人ホーム、学校、幼稚園での給食などの飲食料品の提供(一食につき640円以下、一日1,920円までが上限)
  5. 料理酒、みりん(アルコール度数が1%未満のもの)
  6. ノンアルコール、甘酒
  7. 食品添加物(ベーキングパウダーなど)
  8. お酒入りのお菓子
  9. 健康食品、美容食品、サプリ
  10. 新聞(定期購読契約をしていて、週2回以上発行されているもの)
  11. 列車内のワゴン販売されている飲食料品(お酒を除く)
  12. 条件を満たした一体資産|食料品とそうでないものがセットになって販売されているものです。条件とは、総価格が1万円以下であり、商品の売価もしくは原価のうち飲食料品部分の割合が3分の2以上である事となります。

6.まとめ

新年号とともにいよいよ引き上げられる消費税。そして同時に軽減税率制度も導入されます。制度・システム・業務の点からも企業には大きな負担になる事は間違いありません。直前になって慌てる事なく、今から消費税に向けた準備を行うようにすることをお勧めします。

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