会社の経理をしていく上で耳にする「減価償却」という言葉。耳にはするが、実際のところどういう事?と今更、その仕組みや意味を聞けないという声も聞きます。
「減価償却のなにがわからないのか?」がわからない・・をひも解くものになれればと思い減価償却の基礎の基礎を掲載いたします。ご参考にしてください。
減価償却(depreciation)とは、企業会計に関する購入費用の認識と計算方法のひとつである。長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出をその資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きである。
英語で有形固定資産にかかるものをdepreciation、無形固定資産にかかるものをamortizationという。(引用ウィキペディア)
簡単に言うと、ちょっと高い値段のものを購入した時、何年間かに分けて少しづつ経費としていくことを言います。30万円以上のものを会社で購入して場合、減価償却をしていきます。
例えば、あるお魚屋さんで300万円の車を購入したとします。この車はお魚を豊洲の市場に仕入れに行くときに使用します。使用期間は1年で終わりではありません。何年もの間仕入れの際や配達などに使用する事となります。
この長期にわたって使用を目的とするものの支払いについて、費用を払った時点ですべてを費用と計上するのではなく、使用年数に応じて少しづつ費用として計上していくというのが減価償却です。
この減価償却の対象となるものを、固定資産と言います。
固定資産には、減価償却をする減価償却しさんと、減価償却をしない非減価償却資産があります。非減価償却資産は土地、絵画などの骨董品、有価証券、時の経過により価値が減少しない資産があげられます。
減価償却できる資産とは、業務に使用中の固定資産であり、時間が経つにつれて劣化する固定資産です。この固定資産には、有形固定資産(形のあるもの)と無形固定資産(形のないもの)があります。
建物・建物付属設備・工具・器具備品・車両運搬具・機械装置・構築物など。
特許権・実用新案権・ソフトウェア・営業権・商標権・特許権など。
減価償却できる固定資産は、業務に使用中の固定資産です。もし、年度末に何かの固定資産を購入した際には、設置だけするのではなく、必ず稼働させましょう。
減価償却できない資産の事を、非減価償却資産と言います。非減価償却資産とは、業務に使用していない固定資産であり、時間が経過しても劣化しない固定資産です。
土地・借地権など、建設中の資産、電話加入権、稼働休止中の資産、育成中の生物・樹木、絵画、骨董品等。
※絵画、骨董に関しての減価償却について、2015年1月1日以降に取得した美術品は、
以上の条件を満たし、かつ取得価格が100万円未満であれば減価償却できるようになりました。稼働休止中の固定資産は、減価償却できません。つまり減価償却出来ないという事は、経費が発生しないので節税にはなりません。
稼働はしていない機械設備でも、保守点検を行い、すぐにでも使用可能な状態であれば減価償却はできます。修理や保守が出来ない資産は除却や売却を検討しましょう。
非減価償却資産より減価償却資産にお金を使うことが大切です。
売上はきちんと計算されているのに、経費が正しく計算されていないことになるので、会計的におかしな事態になり、税金計算でも不利になります。減価償却費を計上していない損益計算書は正しいものではありません。
表向きは利益が出ていても、無駄な税金を支払う事になってしまいます。
正しい決算書は作成されず、決算書があてにならないので今後の経営戦略も正しく立てられないことになります。また決算書は、金融関係などにも提出になるので信用を失うことにもなる恐れがあります。
つまり、減価償却は絶対にやらなければいけないものという事になります。
減価償却の開始基準は、固定資産を事業のために使用した時から始めます。まずは固定資産を事業のために稼働させましょう。
法人と個人事業者の減価償却方法は、基本的にはほとんど同じです。
大きな違いは、個人事業者は毎年必ず減価償却をしなければならないという事と、法定償却法が法人と個人事業者では違うという事です。
法定償却法とは、減価償却する方法の事です。つまり法人の場合は法定償却法が定率法で、個人事業者は定額法で行われます。定率法とは、毎年一定の率で減価償却費を計算する方法で、定額法とは、毎年一定額の減価償却費を計上する方法です。
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