消費税、所得税とともに日本の主要国税である法人税。会社を営む上で、必ず関わらなければならない法人税。
会社を経営する方、会社で働く方、これから会社を設立しようとしている方へ、決算や節税のヒントとなるように、法人税の基礎の基礎を記してみました。
ご参考にしてください。
税金には沢山の種類があります。
まず、誰が税金をかけるかによって 国税と地方税にわかれます。 国がかける税金が国税。 県や市がかける税金を地方税と言います。 そして、税金の納め方によって 直接税と間接税にわかれます。
税金を直接負担する人にかかるのが直接税で、品物を作った時に税金をかけ消費者が買うことによって品物の代金に含まれている税金を負担するのが間接税です。
法人税は、国がかける国税であり、直接負担する直接税です。 そして、法人税とは、法人が得た利益に対してかかる税金です。
国がかける法人税は、 ・法人法 ・租税特別措置法 ・国税通則法 と言う、法律によって定められています。これらを一般的に”税法”と言います。 税法により、法人は次の5項目に分けられます。
すべての法人に法人税がかかるわけではありません。収益事業にたいしてのみ法人税はかかります。
などがあります。
会社が事業活動によって得た利益には 国税である法人税(地方法人税含む)、地方税である住民税、同じく地方税である事業税(地方法人特別税含む)がかかります。
この3つの税金の負担率は、利益の大きさによって違ってきますが、会社の利益に対して、約30~40%くらいになります。
法人税のかかる会社の利益を、税法では、課税所得、または所得金額と言います。 会社の利益は、収益ー費用=利益です。 そして所得金額は、益金ー損金=所得金額です。
では、収益=益金、費用=損金で、利益と所得金額は同じものなのでしょうか?
いいえ、それは必ずしも一致しません。なぜなら、企業会計・会社法と税法のそれぞれの目的が違うからです。 会社の利益は、会社法や企業会計原則などによって計算し、その目的は、決算書の利用者に対して、会社の経営状態や財政状態を正確に報告することです。
これに対して、所得金額は、公平に課税し、経済政策の推進、税収の確保を目的として計算されます。
計算式は以下の通りです。
法人税額=課税所得×法人税率ー控除額
では、課税所得はどのように計算されるのでしょう。
課税所得=益金ー損金
会社の利益と課税所得は、必ずしも一致しません。なぜなら、 会社の利益に 「①益金不算入をマイナス」 「②益金算入をプラス」 「③損金不算入をプラス 」「④損金算入をマイナス 」して所得金額を計算するからです。
会社では収益に計上するが、税法では、益金に算入しない項目をさします。受取配当金や税金の還付金、また借入をした場合も、会社にはお金は入ってきていますが、返還債務も発生するため益金に算入されません。
会計上では収入と計上されていなくても税法の規定で収入となる項目をさします。売上の計上漏れ、貸倒引当金などがあげられます。
会社が費用に計上していても、税法では、損金に算入しない項目をいいます。じつは、この損金不算入となる項目が、所得と利益の違ってくる大きな要因であり、節税のポイントとなります。
法人税、住民税、一定の役員給与以外、一定の限度を超える交際費、一定の限度を超える寄付金etc….などたくさんあります。
会社が費用として計上すべきものではありませんが、税法では計上される項目です。繰越欠損金の控除などがこれにあたります。
所得税の税率は、所得が増えれば増えた分だけ高くなります。しかし、法人税の税率は、基本的に一定です。 ご参考までに平成30年度の法人税率です。
【 税理士法人 エンブレース】〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-5-9 精文館ビル2階 |AM9:00~PM18:00(土日祝日 対応可!)